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空き家売却では「更地」と「古家付き土地」とどちらが良いか

2025.04.29

【空き家売却の実務判断】更地と古家付き、どちらが有利か?

空き家を売却する際、「更地にして売るべきか」「古家付きで売るべきか」は重要な判断ポイントです。本記事では、それぞれのメリット・デメリットや税務面の影響、空き家の法的制約などを整理。特に山梨県内の空き家所有者や不動産実務者に向け、現地相場や建築規制にも配慮しながら、最適な売却判断に必要な視点を詳しく解説します。

1. 基本判断:更地と古家付き、それぞれの特徴

更地化が有利なケース

以下の場合は更地化を検討する価値があります。

  • 築年数が耐用年数を大幅に超えている
    例:木造住宅(耐用年数22年)を築40年以上保有
  • 耐震性が旧基準(1981年6月以前)で低評価
    買い手にとって不安要素となり、解体前提となる場合が多い
  • 土地の市場性が高く、建物がむしろ売却の障害となる
    例:甲府市中心部の商業地など

古家付きが有利なケース

以下のような条件では建物を残す選択が適しています。

  • 築年数が経過していても「古民家」等の資産価値がある
    例:北杜市の和風建築など
  • 再建築不可の可能性がある土地
    現行法で建替えが困難なエリアでは「既存建物を活かす」戦略が有効
  • 解体費用が高額で売却益を圧迫する
    坪単価4〜5万円程度の解体費が想定される場合

2. 更地化による売却:メリットとデメリット

メリット

  • 買主の自由度が高く、売れやすい
    住宅用地・事業用地いずれにも対応可能
  • 地中埋設物の確認ができ、瑕疵リスクを軽減
    売主としての説明責任を果たしやすい

デメリット

  • 固定資産税が跳ね上がる
    小規模住宅用地の特例が外れ、税額が最大6倍に上昇
  • 解体費用の先行負担が必要
    木造2階建てで100万円前後が相場(山梨県内)

3. 古家付きで売却する場合の視点

メリット

  • 即入居・即利用したい買主に訴求できる
    地元企業の社員寮、セカンドハウス、DIY希望者など
  • 売主は解体費用を負担しなくて済む
    売却コストを抑えられる
  • 建物評価ゼロでも価格調整により成立可能

デメリット

  • 建物の瑕疵担保責任リスクがある
    水回り・屋根・シロアリ等に注意
  • 土地目的の買主には敬遠されやすい
    解体前提となるため、値引き交渉が発生しやすい

4. ハイブリッド提案:「古家付き+更地相談可」での売出し

売主としての柔軟なスタンスを見せることで、以下のような効果が期待できます。

  • 2つのターゲット(建物利用希望者/土地購入希望者)への訴求が可能
  • 「解体後引渡し」のオプションを明記し、交渉材料にする
  • 解体費を想定した価格設定で信頼性アップ

5. 売却にかかる主な諸費用一覧

費用項目概要補足
印紙税売買契約書に貼付例:1000万円の契約で2万円
登録免許税所有権移転登記時に必要評価額×2%(土地)
譲渡所得税売却益に課税空き家3000万円特例あり【※】
仲介手数料不動産会社への報酬売却価格×3%+6万円(上限)
解体費建物構造・立地により異なる木造:約3〜5万円/坪

※【参考】空き家の3000万円特別控除は、居住用家屋の取り壊し等が要件となる場合があり、詳細は税理士等に要確認。

6. 山梨県内での実務的留意点

  • 中山間地域では解体後の買主が見つかりにくい
    例:山梨市・丹波山村など
  • 甲府市・南アルプス市では「更地優位」の傾向が強い
    建築条件付き売地として再販も視野に
  • 北杜市や富士河口湖町では古民家再生ニーズあり
    飲食店・民泊向けの物件活用事例も増加中

まとめ:判断基準は「ターゲット市場」と「法的制限」

観点更地が有利古家付きが有利
建物の状態著しく劣化・耐震性なし古民家等で付加価値がある
法規制再建築可能再建築不可の恐れあり
売主の資金負担解体費用が出せる出せない/節約したい
税負担固定資産税上昇現状維持可能

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